流産してしまうと、流産手術か自然に出てくるのを待つか決断しなければなりません。
今回は稽留流産後に手術をするか自然排出(自然流産)を待つかについて、メリット・デメリットについてまとめてみました。
この記事を読めば
- 稽留流産の手術か自然排出のメリットデメリットがわかる
- 体への負担や費用面で比較できる
- 納得いく選択ができる
ちなみに、この記事を書いている私は
2度の自然排出、1度の手術の経験があります。両方の気持ちがわかりますので参考になる部分があると思います。
Contents
稽留流産・手術か自然排出かどちらか悩んだ人へ
稽留流産はその後、日にちを決めて手術を行うか自然排出を待つか、の2つの選択肢があります。担当医の方針やご自身の都合によって、医師と相談して決めてください。
現在ネットを見ると多くの病院が手術を勧めている様な印象です。(その理由は後述します。)手術の予定は流産確定後おおよそ当日〜10日後くらいまで幅がありました。
稽留流産手術のメリット・デメリット
稽留流産・手術のメリット
- 日時指定ができるので予定が立てやすい
- 急な出血や腹痛を心配しなくて良い
- 感染症などの心配がかなり減る
- 医療保険加入者は給付金が受け取れる可能性がある
稽留流産・手術のデメリット
- 子宮の入り口を開ける処置が痛い(処置しない場合もあり)
- 麻酔の度合いによっては痛みを感じる
- 一泊二日で手術を行う場合がある
- 子宮を傷つける場合がある
稽留流産は健康保険適用なので、日帰り手術でおおよそ2〜3万円程度です。
また個人的に契約している医療保険や生命保険からも保険金が降りる場合があり、「お釣りがきた」と言う経験談もありました。
掻爬手術と吸引法のどちらがいい?
現在流産手術には掻爬(そうは)手術と吸引法の2種類があります。
掻爬手術は器具を使って胎嚢などを掻き出します。
一方、最近増えてきた吸引手術は吸引することにより子宮内を傷つける確率が少ない方法です。妊娠12週未満の流産手術でのみ対応可能です。
吸引法のメリット
吸引法は子宮内膜を傷つける可能性が低く、次の妊娠を望む方に選ばれています。
また、術後、掻爬手術に比べて下腹部の痛みが少なく、ほぼ痛みを感じない人もいます。
WHO(世界保健機構)も、掻爬法は時代遅れだとして吸引法を推奨しています。
実際に流産手術を受けて来た時の詳しい話が知りたい方はこちらからどうぞ→▶︎【ブログ】3回目の流産で手術を受けてきた話/当日の流れや検査・費用など【絨毛染色体検査】
稽留流産の自然排出(自然流産)のメリット、デメリット
では次に自然流産(自然排出)を待つ場合のメリット・デメリットをみていきましょう。
自然排出のメリット
- 自分で出してあげられたと思える納得感
- 子宮内膜を傷つける可能性が少ない
自然排出のデメリット
- いつ大量出血が始まるかわからないので不安
- 緊急入院や緊急手術の可能性がある
- 子宮内に残留物があった場合(不全流産)、結局手術となる場合がある
手術を選択しても自然排出を待つ場合も、感染症の発症に差はないという統計があります。(国立成育医療研究センターHPより)
実際にどうなの?稽留流産の自然排出を待ってみて
自然排出を選択して、出血するのを待つのは想像以上に不安な日々です。
他の経験者の方のブログを読むと、
- 大量出血で意識を失いかけた
- ひどい腹痛と出血でトイレにこもりっきりになった
- 急な出血でズボンが血だらけになった
などという経験談もありました。ただでさえ流産でメンタル弱っている所に、いつになるかわからない出血を待つのは不安な日々です。
また、通勤中や仕事場で出血が始まると大変です。
稽留流産後の体と心の変化<経験談>
体の変化
稽留流産により胎嚢が自然排出されたのは夜中でしたが、昼くらいにいは「体調が良い」と感じ、つわりもパタリと消え食欲も出てきました。その後は一日生理3〜4日目程度の出血で済んでおり、回復が早いと感じます。
体の戻りとしては、デスクワークの仕事でしたら翌日から復帰できるかな、という感じでした。
その後は徐々に出血は収まり、2週間ほどで出血・ピンクのオリモノは終わりました。その間、自然排出から10日目にクリニックにて内診を受けましたが、「もう次の卵もできてきてるね〜」と先生に言ってもらえ、体は確実に元に戻ろうとしていると感じました。
心の変化
体外受精で時間もお金もかけてやっと授かった命だったので落胆の方が大きく「次の妊娠は一体いつになるんだろう。。。」など次の治療の事ばかり考えていました。早く排出して次の妊娠に備えたい、と言う気持ちに少し罪悪感も感じていました。
その後自然排出して実際に胎嚢をみたとき、子どもの姿は見えないけれど自然と「ありがとう」と言う言葉が何度も出てきました。トイレでぼそぼそ怪しい人だったと思います。
「産んであげたかった」
「産みたかった」
「会いたかった」
そんな様なことをぐるぐると感じながら、しばらく胎嚢を眺めました。
自然排出をしたことで、お別れでき自分の中で区切りがつけられたと思います。
ちなみに、自然排出した胎嚢は病理検査に出す場合もあるので、医師に事前に聞いてみるといいです。うちの先生は「トイレに流して大丈夫」との事だったので、そうしました。
最後に
流産は誰にでも起こることです。
また初期流産は職場や親族に妊娠を伝えていないことも多く、流産を言い出せず休みづらいかもしれません。
先生に言えば「○日まで休んで」等と診断書を書いてくださるので、もし休める仕事であれば選択肢の一つとして覚えておいてくださいね。
通常1ヶ月程度で生理が再開しますので、2回生理が来たら妊娠してもいいそうです。
今はまず心身ともにしっかり休むことが大切です。
医師とよく相談し、あなたにとって良い選択ができますように。